タグ: 家賃は今すぐ下げられる
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新聞広告と魔物
倒産する出版社に就職する方法・第51回
年明け早々、私はある悩みの渦中にいた。
やるか、やらないか――。
11月に出した『家賃は今すぐ下げられる!』、1月に新刊として出す『食べなきゃ、危険!新装版』、この2点について新聞広告を出稿するかどうかの決断を迫られていたのだ。
新聞紙面は「段」というブロックで区切られ、もともとは15段で構成されている(現在は活字が大きくなった影響で多くの新聞が12段になっている)。その15段中の3段分のスペースを縦に8つに割っていることから「サンヤツ(三八)」と呼ばれるのが一面の下欄に位置する広告スペースだ。二~四面には、15段中の5段分すべてを使う「全5段」、その半分の「半5段」という広告スペースも存在する。サンヤツに比べ、スペースが大きい分、こちらは広告料金が跳ね上がる。
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第一ラウンド、リングに沈む不動産屋
倒産する出版社に就職する方法・第41回
さらに数日後が経過。
家賃値下げ要求を突き付けた私に対して、大家と交渉すると言っていた不動産屋からあらためて電話がかかってきました。
「たいへん申し訳ありませんが、大家さんと弊社とは家賃保証という契約になっており、家賃自体を値下げすることは難しいのです。ですから、今回は更新料を半額ということでいかがでしょうか?」
「なるほど……」
どうですか、これ。
――家賃は下げないけれども更新料を半額にする。
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形勢逆転
倒産する出版社に就職する方法・第40回
「じゃあ、出ていけ、なんてことにならないんでしょうね?」と妻。
「心配ないさ。借地借家法では借り手の権利が手厚く保護されているから、突然出ていけなんてことにはならないよ」と、ハウツー本に記されているようなわかりやすいQ&Aを行なう私。
家賃をめぐる裁判所での調停では、「調停委員」という人があいだに入って交渉が行なわれることになります。家賃問題の調停委員は不動産鑑定士が就くことが多く、なんとか調停をまとめようと、貸し主(大家)側へ譲歩を迫ることが多いのです。
――というような編集作業中に仕入れた知識を披露する私。
「ふーん」
冷然と私を見やる妻。
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調停、あるいは編集者としての責務
倒産する出版社に就職する方法・第39回
どうだ、調停だぞ。四の五の言うんなら出るとこ出てやるから覚悟しろ。ぐうの音も出んだろ、まいったか。
決め台詞をズバリ言い放ち、快感に打ち震える私。
「はい。そうですか。で、契約更新はされるんでしょうか?」
……エッ!
つ、通じてない……ッ!
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裁判所に調停を申し立てます
倒産する出版社に就職する方法・第38回
「数日前に、家賃値下げのお願いというのを郵送したんですけど、検討していただけましたか?」
音も沙汰もないので、仕方なくこちらから不動産屋に電話します。
しばらく保留音ののち電話に出た担当者いわく、
「そういう手紙はいただいていないんですが……」
……。
そうなの?
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家賃を2割下げる方法
倒産する出版社に就職する方法・第37回
「手持ち資金ゼロで、あなたも夢のマンションオーナー!」とか、「和牛に投資で年利20%!」とかあからさまにアヤシイですよね。
「うまい話には裏がある」という格言にはやはり真理があるわけです。
では、これが「家賃を2割下げる方法」だったらどうでしょう?
ホントかよと思いつつも、やってみようと思いませんか?
じつはコレ、2013年に今はなき三五館から出版された本のタイトルなんです。
『家賃を2割下げる方法』、どうです、売れそうじゃありませんか。